少し前に、骨折をしてしまった。
医師からは、完治までに三ヶ月ほどかかると言われ、しばらくは自由に出歩けない生活になった。
最初は、正直かなり落ち込んだ。
外に出ることが当たり前だった日常が、急に制限される。
予定はすべて白紙になり、できることも一気に減った。
何よりつらかったのは、
「何もできない時間」が増えたことだった。
体は動かないのに、頭だけは以前のペースのまま。
そのギャップが、妙に疲れさせた。
でも、時間が経つにつれて、少しずつ考え方が変わっていった。
無理に元の生活に戻ろうとするのをやめた。
できないことではなく、
「今できること」に目を向けるようになった。
出歩けない分、家で過ごす時間が増えた。
窓からの光を眺めたり、
音楽を流して何もしない時間をつくったり。
以前なら退屈だと感じていた時間が、
少しずつ心を整えてくれるようになった。
動けないからこそ、
自分がどれだけ忙しさに追われていたかに気づいた。
常に何かをしていないと、不安になっていたことにも。
骨折は、決してうれしい出来事じゃない。
今も、不便だと感じることはたくさんある。
それでも、この時間がなかったら、
立ち止まって考えることはなかったと思う。
完全に治ったら、
また前と同じように動き出すかもしれない。
でも、以前よりも少しだけ、
自分のペースを大切にできたらいい。
動けなくなった時間は、
失った時間ではなく、
見直すために必要だった時間だったのかもしれない。



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