
骨折してからしばらく経ち、
生活の中に、ほんの小さな変化が戻ってきた。
大きく何かができるようになったわけじゃない。
でも、昨日より少し楽に動ける。
昨日より、痛みを気にする時間が減る。
その「少し」が、思っていた以上にうれしかった。
回復というのは、
ある日突然、元に戻るものじゃない。
気づいたら、できることが一つ増えている。
そんな静かな変化の積み重ねだった。
以前の私は、
「元どおりになること」ばかりを考えていた。
早く治したい、早く戻りたい。
その気持ちが、逆に焦りになっていた気もする。
でも今は、
戻るスピードよりも、
今の状態をちゃんと受け止めることを大切にしている。
無理をしない日を選ぶことも、
立派な前進だと思えるようになった。
家の中で過ごす時間にも、
少しずつ余裕が生まれた。
音楽を流しながら過ごしたり、
窓の外の天気を気にしたり。
動けない時間に身についた習慣が、
回復途中の今も、心を落ち着かせてくれる。
完全に元に戻ったわけじゃない。
まだ不便さも残っている。
それでも、
「ちゃんと前に進んでいる」
そう思える瞬間が増えてきた。
今回のことで学んだのは、
日常は一気に取り戻すものじゃないということ。
少しずつ、
確かめるように戻ってくるものなのだと思う。
また自由に動けるようになったとしても、
このゆっくりした感覚を、
忘れずにいたい。
急がなくても、
日常はちゃんと戻ってくる。



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